晩酌と食い気

キリンジとクライミングとイエノミの記録

夜更けすぎの静けさは尊い

長年悩んで四方手を尽くしてそれでも詰んでしまった問題、一生逃れられない。その苦しみを一時忘れるために、別の苦しみの原因を顕在化させて関係をぶっ壊してしまった。何にも残らない。もうそれでいい。私の、彼の心の問題。

 

先日飲み会の帰り、最近千葉から越してきたOくんが歩いて帰宅するというので一緒に帰りがてら私のお気に入りのコースを案内した。森に囲まれた研究所、ゆるい坂道に沿う長く伸びた塀、まっすぐ伸びた線路、暗渠から聞こえる水音。遠くに見える団地、ビル群、高架橋とちいさなトンネル、初期キリンジの郊外感というか、都会でもなく田舎でもない雰囲気がいい。この道が歩きたくて今の住まいに引っ越したようなものだ。MVとかに使ったらさぞかし映えるだろう。バイババビンバの二番煎じになってしまうが。Oくんもたいそう気に入ってくれたらしい。これから飲み会の時はここ通って帰りますと。

そんないい場所見つけられたらいいなあ、と思って、昨夜は2,5駅歩いてレイトショーに行った。一駅またいで反対側に渡ったら見える景色がぜんぜん違う。電車にのっているときは意識していなかったが、うちから駅までは線路のほうが高い位置にあるけど、駅から映画館のある町までは、線路が峡谷の谷底になっていて、電車の通過音はきりきりと苦し気な音に聞こえる。

 

懸案のK駅前は心がざわつくことはなかった。彼が言っていたイルミネーションはよくもわるくもなく、悪く言えば凡庸。よくいえば清潔。比べるものではないけれど、あかりはネオンのほうがすきかなあ。人の営みとか味わいがあって。

一駅歩かないうちにブーツの中の足、小指の付け根が痛くなってきた。まえはこんなことなかったのに足変形してきたのか。

 

帰りもゆっくり歩いて帰った。登り電車はこの時間でも人がいっぱいだ。深夜スーパーでビールと野菜をかって帰宅したらもう1時だった。往復2時間以上時間も歩いたせいか、3時すぎに布団に入ったのに眠りは深かったようだ。いつも睡眠を妨げる始発電車の音にも気が付かず目が覚めたのは8時過ぎだった。